朝から頭がズキズキ、仕事中も集中できない……。 そんな「慢性的な頭痛」に悩まされていませんか? 実は、薬に頼らず、"ツボ押し"で頭痛をやわらげる方法があります。 私自身も緊張型頭痛に悩んでいましたが、ツボ押しを習慣にしてから、頭が軽くなる実感がありました。
本記事では、解剖生理の知識をもとに、頭痛に効くツボの仕組みと押し方をわかりやすく解説します。さっそく今日から、あなたも“薬に頼らない頭痛ケア”を始めてみましょう!
目次
なぜ「ツボ押し」が頭痛に効果的なのか?
頭痛の主な原因はコリと血行不良
多くの頭痛は「筋肉のコリ」や「血行の悪さ」が原因です。特に「緊張型頭痛」は、肩や首の筋肉がこって固くなり、周囲の血管や神経を圧迫することで痛みが出ます。首の後ろの「僧帽筋」が固くなると、頭部の血管が圧迫され、自律神経も乱れて頭痛が起きやすくなります。つまり、コリをほぐして血流を良くすれば、頭痛は自然と和らぎやすくなるのです。
ツボ押しが神経・血流に働きかける仕組み
ツボ押し(指圧)は、神経や血管、自律神経のバランスに働きかけ、リラックスした状態(副交感神経優位)を作ります。筋膜や筋肉がゆるみ、血液やリンパの流れが改善されることで、頭の重さや痛みが軽減されます。
薬に頼りすぎない自然な対処法として人気上昇中
最近では、「薬が効かなくなった」「体にやさしい方法でケアしたい」という理由から、ツボ押しが見直されています。鍼灸や東洋医学でも、ツボで“気”と“血”の流れを整えて頭痛を緩和する方法が基本となっています。
あなたの頭痛はどのタイプ?効果的なツボを選ぶ前に確認!
緊張型頭痛|肩・首のコリが原因のガンガン頭痛
緊張型頭痛は、筋肉のコリが原因で起こります。
姿勢の悪さや長時間のスマホ・パソコン作業で、首〜肩の筋肉が疲れ、血流が悪くなるからです。
「僧帽筋」「肩甲挙筋」「後頭下筋群」が固まると、脳への血流が悪くなり、酸素不足から頭痛が起きます。
コリをゆるめるツボ押しは、緊張型頭痛にとても効果的です。
偏頭痛|ズキズキする片側の痛み(ツボ押しの注意点も)
偏頭痛は、血管の拡張が原因のズキズキした痛みです。拡張した血管が三叉神経を刺激し、痛み物質が出て痛みが強まります。
片側のズキズキ、吐き気、光や音に敏感になるといった症状が特徴です。偏頭痛のときはツボ押しを避け、まずは冷やして安静にしましょう。
目の疲れ・ストレス・自律神経からくる頭痛もある
目の使いすぎやストレス、自律神経の乱れも頭痛の原因になります。眼精疲労は目の周囲の筋肉や神経を緊張させ、ストレスや睡眠不足は脳の血管に影響します。
勉強や仕事で目を酷使する人、ストレスを感じている人は、額やこめかみに重だるい痛みを感じやすいです。こうした頭痛には、リラックス系のツボを押して自律神経を整えるのが有効です
今すぐ押せる!頭痛に効く代表的なツボ5選(図解付き)
1. 百会(ひゃくえ)
場所:頭のてっぺん。左右の耳の一番高いところをまっすぐ上に結んだ点
効く頭痛のタイプ:ストレス、緊張、不眠からくる頭痛
解剖生理のポイント:このツボは「頭頂静脈」や「交感神経」「副交感神経」の切り替えに関わるエリアにあります
効果:押すことでリラックスし、自律神経が整いやすくなり、頭全体の重たさやイライラが軽減されます
押し方:中指または親指で、頭のてっぺんを3〜5秒押して離します。これを数回くり返しましょう。目を閉じて深呼吸すると、さらに効果アップ

2. 天柱(てんちゅう)
場所:首のうしろ、髪の生えぎわの両側にある太い筋肉(胸鎖乳突筋)のすぐ外側のくぼみ。
効く頭痛のタイプ:首や肩のこりからくる頭痛。
解剖生理のポイント:この場所には「後頭下筋群」という小さな筋肉が集まっていて、姿勢や頭の動きと関係しています。
効果:このツボを押すと首の緊張がほぐれ、脳への血流がよくなり、後頭部の重だるい痛みが軽減します。
押し方:首の後ろに両手の親指をあて、上に引き上げるようにして3秒押し、ゆっくり離します。数回くり返すと効果的です。

3. 合谷(ごうこく)
場所:手の甲側、親指と人差し指の骨が交わるところの少し人差し指寄り。
効く頭痛のタイプ:ストレスや目の疲れ、肩こりからくる頭痛。
解剖生理のポイント:この部分には「正中神経」が近くを通っていて、全身の痛みに関係する神経の反応点と考えられています。
効果:このツボを押すと、脳の「痛みを感じにくくする仕組み(鎮痛系)」が働き、頭痛が和らぎやすくなります。ストレスやイライラの緩和にもおすすめ
押し方:反対の手でつまむようにして、5秒かけて押し、5秒かけてゆっくり離します。3〜5回くり返すと効果的です。

4. 風池(ふうち)
場所:首の後ろ、耳の後ろのくぼみから髪の生え際にかけての少し内側。
効く頭痛のタイプ:目の疲れや風邪、ストレスによる頭痛。
解剖生理のポイント:このあたりは「後頭神経」や「自律神経」のスイッチが集まる場所。首の血流や神経バランスに深く関係しています。
効果:自律神経が整い、目の疲れや肩のこりが和らぎ、頭がスッキリしてきます。
押し方:両手の親指を使って、後ろに向かってゆっくりと3〜5秒押します。深呼吸しながら行うとさらにリラックスできます。

5. 太陽(たいよう)
場所:こめかみ、目尻と眉毛の外側の間あたりにある少しへこんだ部分
効く頭痛のタイプ:偏頭痛やズキズキする痛み
解剖生理のポイント:この部分には「顔面神経」や「側頭動脈」があり、血流や神経の過敏な反応が頭痛に影響します
効果:やさしくマッサージすると、血のめぐりがよくなり、ズキズキした痛みが和らぎます
押し方:中指を使って、円を描くようにやさしく1分間マッサージしましょう。押しすぎず、リラックスする気持ちで行うのがコツです

正しいツボの押し方と注意点|効果を高めるコツ
力加減とリズムが効果を左右する
ツボ押しは「痛気持ちいい」強さがベスト。強すぎると逆効果になることもあります。
ツボは神経や血管の近くにあるため、強く押しすぎると筋肉や毛細血管を傷つけてしまうリスクがあります。ツボ押しの目的は“刺激”よりも“調整”であり、やさしい圧力の方が神経系にポジティブに働きかけます。
合谷を強く押しすぎて「しびれ」が出た人もいます。基本は、親指で3〜5秒かけて押し、3秒休む。このリズムで3回〜5回繰り返すと、心地よさとともに効果が期待できます。
ゆっくり・深く・痛くない」が基本ルール。リラックスしながら押すのがコツです。
ツボを押すタイミングと環境にも注目
ツボ押しは、リラックスできる時間帯や場所で行うのがベストです。
交感神経が優位な状態(緊張している時)では、体が刺激に反応しづらく、効果が出にくくなります。副交感神経が優位になる入浴後や、眠る前の時間帯が最適です。
お風呂上がりに百会を押すと、血行がよくなっているため効果が高まり、「頭が軽くなった」「眠りやすくなった」という声も多いです。
ツボ押しは“ながら”でOK。でも、できればリラックスした環境で行うと、さらに効果がアップします
こんな時は避けよう!ツボ押しの注意点
頭痛の種類や体調によっては、ツボ押しを避けた方がよい場合もあります。特に「偏頭痛」は血管が広がることで起こるため、強い刺激を与えると逆に痛みが悪化する可能性があります。また、発熱時・妊娠初期・飲酒後・体調不良時も注意が必要です。
偏頭痛のときに風池を押しすぎた結果、痛みがひどくなったケースも。冷やして休む方が効果的なこともあります。体調と相談しながら無理せず。「気持ちいい」と感じる範囲で行いましょう。
まとめ|ツボ押しで“薬に頼らない頭痛対策”を習慣にしよう
頭痛は現代人の多くが抱える悩みですが、ツボ押しという自然で優しい方法でも、しっかり対策ができます。今回紹介した「百会」「天柱」「合谷」「風池」「太陽」は、それぞれの原因や部位に応じてアプローチできる基本のツボです。
さらに、ツボ押しは単なる“応急処置”ではなく、日々のケアとして継続することで、自律神経のバランスが整い、頭痛が起きにくい体づくりにもつながります。正しい押し方、適切なタイミング、そして無理のない習慣化がカギです。
薬に頼る前に、自分の体とじっくり向き合う時間をとってみてください。頭痛のたびに慌てることなく、落ち着いてセルフケアできる日常を目指しましょう。
あなたも今日から「ツボ押し頭痛ケア」、始めてみませんか?